合唱を「歌声」と呼ぶ理由
合唱のことを「歌声」と呼んでいました。
そう呼んでいる方もいらっしゃるかも知れません。なぜ「歌声」か。
自分たちの思いを声にし、歌にして届ける。
だから敢えて「歌声」と呼んでいました。
その為、みんなで歌っていくために選ぶ歌は、その学年のテーマや、行事のテーマに出来るだけあったものを選ぶようにしていました。
そして、歌い方の指導と共に、歌詞の意味について考えたり、話しあったりする時間をとっていました。
歌詞には、どんな意味があるのか。
歌詞の中の言葉に、どんな思いが込めらるか。
その思いを伝えるにはどういうふうに歌ったら良いか。
そんなことを出し合わせ、話し合わせていくのです。
6年生の為に歌うのなら、6年生の姿が、歌詞と重なって思い浮かぶように。
お家の人の為に歌うのなら、感謝の思いが、歌詞を通してより伝わるように。
自分達の成長を伝えるなら、優しさ、強さ、協力、努力といったことをどの歌詞に込めたか伝わるように。
歌詞の一つひとつの言葉に目を向けさせていく。
そうすると、
なぜゆっくり歌うのか。
なぜ力強く歌うのか。
なぜみんなと合わせることを意識して歌うのか
といった理由が子ども達の中にしっかりできるのです。
「もっと気持ちを込めて歌いなさい。」
「もっと大きな声で歌いなさい。」
「もっと気持ちを一つにして歌いなさい。」
という指導はよくします。
しかし、それでもなかなか歌声が変わらないとしたら、やる気がないとか、恥ずかしいとかいうわけではなく、
どの言葉にどんな気持ちを込めたらよいのか。
なぜ大きく歌うのか。
気持ちを一つにして歌うって、どんなことなのか。
ということが、わかってないだけなのかも知れません。
だから、具体的に、歌詞の言葉一つひとつと関連させて、歌い方を指導していくことは大切なことだと思います。
まあ今回は、自分がそれまで合唱の指導について本気で考えたことがなかっただけで、「そんなこと、歌の指導する上では当然でしょ!」って方も多いことと思います。
例え歌うときでも、目的意識、相手意識、課題意識を大切にする。その為の手立てとして歌詞を丁寧に扱う方法がある。ということに私は気付かされたわけです。
歌い方の技術の指導と共に心も育んていくことを意図して。
だから敢えて「合唱」ではなく「歌声」と呼ぶ。
もしこれから合唱に取り組もう、または今取り組んでいるという方がいらっしゃったら、「合唱」を「歌声」にすることを大切にして取り組んでみてはいかがでしょうか。
読んで頂き、ありがとうございました。