タイヤ運び必勝法1
以前書いたように、「精神と時の学校」の運動会の1年生の団体 競技は「タイヤ運び」と決まっていました。
ペアで2本のポールを両腕にもって立ちます。
そのポールの上に大きなタイヤを置きます。
(正確には重さを考慮してタイヤチューブです)
二人とも前を向いて、ポールの上のタイヤを落とさないように走ります。
自分の学級では、小運動会、第運動会あわせて36組のペアが走りましたが、
落としたのは小運動会の1回目のみでした。
大運動会は1度も落とすことなく、圧倒的勝利でした。
決して、勝つために厳しい練習をしたわけではありません。
決して運動能力が高い子供がそろっていたわけではありません。
(見ていた保護者の方には、もともとクラス分けが・・・いってい た方もいましたが)
私が、タイヤ運びのために行ったこと。
それは、、、
「タイヤを落とさないためにはどうしたらよいか」という課題を位置づけた。
それだけでした。
そのために。
ちょうど実習生が来ていたので、実演させてわざと落とさせました。
「大学生だって落とすんだよね~みんなは落とさずいけるかな。」 ときっかけました。
それ以来、大運動会が終わるまでは「タイヤを落とさないためには どうすればよいか」という課題にむけて子供たちは練習していました。
1年生なりに、課題に対していろんな考えを出してきました。
ポールを「少しハの字にする。」「旗を曲がるときは少し傾ける」
等々思いついたことを、自分たちでいろいろためしながら練習していました。
そして、
「ハの字はどれくらい開けば落としにくくて走りやすいか 。」
「どれくらいまで傾けたら速くまわれるか」
等々、子ども たちなりに追究していました。
私は、 時々子どもの前で、がんばりや上達 を紹介したり、ふりかえりを言わせたり、タイムをは実習生にはからせたり。しただけです。
これは小学校1年生の運動会の競技ではありますが、実は他のこともで、同じだと思います。
いくら大人や教師が、当然勝つために大切だと思うことを、いくら 話してきかせても。
子どもたちにとって実感をともなった理解になっていなければ、なかなか子どもたち自身のものにならない。
子どもは一生懸命言われた通りにやろうとしているのに、大人や教師がいって聞かせたこととは違う動きになってしまう。
そして「あれだけ何度も言ったのにできてないじゃないか!」「何回いってもわからない、できない子どもたち」と、子とも達のせいにしてしまっている人っていないでしょうか。(学校外のスポーツ 等の指導にも多いかも知れませんね)
そうやってできないことを子どものせいにするのではなく、本当に子どもたち自身が考え、納得して取り組めるような指導をさているのか。自分の指導を振り返ることが大切だと思います。
子どもたちに自身が考え、取り組めるために、よく「目標が大切」ということが言われます。それも、ただ目標をもてばよいだけでなく、その目標達成のために、子どもたち自身で考え、 答えを見つけていくようにすることが大切なんだと思います。
どの競技やスポーツもそうですが、始まってしまえば大人は口出し 、手出しはできません。
結局は自分で考え、自分で解決できるよう動ける子供を育てること が一番の必勝法である。それはきっとスポーツだけでなく、ほかのことでも同じ。
「精神と時の学校」のタイヤ運びからそんなことを学びました。
読んで頂きありがとうございました。