「精神と時の学校」で学んだこと

「1日が365日」とまではいかないけれど、いた時間以上に多くのことを学んだ学校。そこで学んだことを紹介します。

小運動会で「見直しの問い」

運動会の前に小運動会があります。

 

本番に向けての流れをチェックするために行う学校が多く、そのため、入退場のみ行うところもあるようです。 

 

しかし「精神と時の学校」では小運動会も本番さながらに真剣にやっていました。

 

それはなぜか。

 

大運動会を見に来られない保護者に見せるため。ではありません。

本番で見栄えの良い表現を見せようとか、勝ちにこだわっているから。でもありません。

(確かに子どもが本気で取り組めば取り組むほど、より素晴らしい表現に仕上げたい、団体で勝たせてあげたい、という親心みたいな思いが教師にできてくるのも事実でしたが、、、。)

 

小運動会にも真剣に本番さながらに取り組む。

その一番の理由は、小運動会は、大運動会のための「見直しの問い」をもたせるための会だったからです。

 

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「自分達が目指していた表現になっているか。」「自分達が目指していた表現はこれで良いか。」というねらいにせまるための「見直しの問い」を持たせる。

そのために小運動会のときの表現をしっかりと録画しておいて、小運動会の翌日には見せる。

 

「タイヤ運びで負けたのはなぜか。」

「勝ったけど大運動会で更にタイムを伸ばすためにはどうすればよいか。」

という見直しの問いを持たせる。

そのためにやはり団体のビデオを見せたりもする。

 

では、ここまでして「小運動会で見直しの問い」をもたせることを大切にしていたのはなぜか。

 

それは「精神と時の学校」における一連の大運動会の取り組みが、一つの「問題解決学習」だったからです。

きっかけから、大運動会後の振り返りまでの間に、

「表現を成功させるためにはどうすればよいか。」

「団体で勝つためにはどうすればよいか。」

「運動会のテーマを達成するためにはどうすればよいか。」

「運動会でどんな力をがついたか。」

などの子ども達がもった「問い」を解決する過程で、自分で考える、自分で行動する大切さを味わわせる。成功体験も失敗体験も、次に生かす大切さに気づかせる。

 

そこをねらいにおいていたから、小運動会は、「リハーサルの時間」ではなく、子どもたちに「見直しの問い」をもたせる会と位置づけていたのです。

 

学校の規模や、日程の都合で、どうしてもそこまでの小運動会はできない、という人もいるかも知れません。

しかし、例え入退場だけであっても、形式的な小運動会であっても、運動会のテーマがあるからには、子どもたちには「問い」があるはずであり、そのテーマを大運動会で達成させる、少しでも近づけるための小運動会にしなければならない。

もしも運動会のテーマはあるのに「問い」を持ってない子どもがいるとしたら、「問い」を持たせるための小運動会にしなければならない。

そのためには、例え入退場だけであっても、

「どんな小運動会にすべきか。」

「どんな手立てを講じるべきなのか。」

という「問い」を教師ももつことで、小運動会はより価値あるものになり、更に素晴らしい運動会になると思います。

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。