学校の働き方改革〜遠まわりは実は近道〜
学校でも「働き方改革」が行われています。
学校というところは、「人を育てる」ことが仕事ですから、どこまでやればゴールなのかがわかりにくい。 また、一人の教職員が、多くの児童生徒、保護者と関わることが必要で、目の前に問題があれば、時間で割り切って対応をするわけにもいきません。 目の前に泣いている子がいるのに、「今先生は昼休みだからまた後で来てね。」とは言えるはずもありません。
そのため、休み時間もなく仕事をし、持ち帰り仕事は当たり前。そうしているうちに日々先生方も疲弊し、ついつい子ども達にもきつく当たってしまう。そして、子ど達の問題行動が増え、、、というマイナスの循環に陥ってしまう。ということは、あり得ることです。
ですから先生方が、日々余裕をもって笑顔で子ども達と関わり、また、家族や自分の時間も大切にしながら、豊かに生き、それを学校教育に還元していく。そのためにも学校における働き方改革をすすめることは非常に大切なことです。
そのために、今、タイムカードを導入する、定時に帰る曜日を設けるなど、新たなシステム導入や決まりを設ける動きがあります。
時間を決めることで、先生方が仕事の仕方を見直していくことになるので、とてもいいことだと思います。
ただ、繰り返しになりますが、自分の仕事の仕方をいくら見直しても、常に子どもや保護者を相手にしている学校というところは限界があると思うのです。
その限界を超えるには。 前回紹介した、「生活指導を児童会中心で行う」ことに、一つヒントがあるのではないでしょうか。
教師が毎月提示すべき生活目標を出さず、その替わりに子どもに学校を見回りをさせたり、目標を考えさせたり、代表委員会を開かせたり。
でもそれは教師が楽をするためでは決してなく、実践する力や、考える力を育むために、敢えて子ども達にやらせるわけです。
時々子ども達の様子を見ながら、「こうやったらいいんじゃないの?」などと意欲付けをしたり、「そのやり方で、本当にできる?」などと見直しをさせたりしながら、問いをもたせたりしながら、子ども達の活動が持続し、ねらいが達成できるように導いていく。
子ども達の願いや思いを大切にしながら、自分で考えること、自分で出来ることに喜びを感じ、またやってみたいと思う子どもを育てる。
実はこれも立派な学校における働き方改革ではないかと思うのです。
「ずっとそうだったから。」という理由だけで「これは教師がやるもんだ。」と疑いもせず、ついつい、教師がやってしまっていることってないか。
最初は先生がしてあげた方が楽だと思ってやってると、実はだんだん「自分がしなくても、先生がやってくれる。」という、受け身の子どもを育て、先生がすることがますます増えて、逆に忙しくなってることってないか。
実は子どもにやらせた方が、子どもは喜ぶだけでなく成長もするってことはないか。
そんなこと見直してみることも、立派な学校の働き方改革だと思うのです。
最初は遠まわりでも「子どもに力をつけること。」「自分でやろうとする子どもを育てること。」が学校における働き方改革の近道である。 そんな視点を大切にすべきだと、子どもの思いや願いをつくることに大きなエネルギーを注いでいた「精神と時の学校」のことを振り返って思うのです。
しかし、当時の「精神と時の学校」は今で言う働き方改革とは無縁の労働時間だったので説得力はないですが、、、。 ただそれは、通常の学校の仕事に加え、濃すぎる研究や、教育実習、教育団体の事務局仕事などもあったというのも理由にありますので、ご理解いただければ。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。