「流れ図」のススメ
研究授業をする際に、指導案の3枚とは別に、
「流れ図」
というものを書いていました。
指導案を書く時、パソコンに向かう前に。 - 「精神と時の学校」で学んだこと
よく、「細案」とか、「発問計画」などを書く方もいらっしゃると思いますが、細案はその両方を合わせたようなものです。
「子どもの前に立った第一声は何というか。」
「最初の発問は何にするか。」
「それに対して子ども達は何というか。」
想定される出方を全て具体的に書き出していきます。
そんな子どもの出方に対して、
「どんな切り返しの発問をするか。」
「どんな手立てを講じるか。」
それをまた全て書き出していきます。
そして、それらを線で繋いでいきます。
線はいくつも枝分かれしたり、別れていたものが途中で再び繋がったりしながら、想定できる授業の「流れ」ができていきます。
このように、想定される授業の流れを全て明らかしたものが「流れ図」です。
とても複雑になり、線や書き換えも多いので、流れ図だけは手書きで、ファックス原紙に書いていました。
「流れ図」を書いて授業の流れを想定してみると、指導案では流れると思っていたはずが、どうしても流れなくなってしまうことがあります。または、違うねらいに行き着いてしまうこともあります。
ということは、「課題」が違うのか。
発問が違うのか。
課題や発問のところまで戻り、また違う流れを考えていきます。
それでもねらいまで流れないときは、「そもそも教材とねらいがあってないのでは。」という話になってきます。
そうやりながらスムーズに流れ図が最後まで書けた時は、やはり授業もスムーズにねらいにいくことが多いです。
決して流れ図通りにスムーズにいくわけではないし、いかせようと思って授業するわけでもないのですが、うまくいくことが多いのです。
それは流れ図を書くことで、あらゆる出方を想定し、子どもの発言の背景を捉えることができたり、授業の幅が広がったりしているからなんだと思います。
もちろん、たくさんの業務がある中で、毎日流れ図を書くことなんて、不可能です。実際、「精神と時の学校」でも、研究授業の時に書く場合が多かったです。
それに、教師としての必ず毎日やらなければやらない様々な仕事に比べてれば「流れ図を書く」という仕事は、別にしなくてもすぐに明日困るわけでわない仕事です。
だから、ついつい後回しになったり、ついに書かないままになったりして、教師の仕事としても広まっていないと思います。全く経験がないという方も多いと思います。私も「精神と時の学校」で初めて経験しました。
しかし、無数にある教師の仕事の中で、「一番大切な仕事は何か」と問われたとき、「授業力を向上させること」と答える方は多いでしょう。
そうであるのならば、この「流れ図を書く」ことは、例え時々であっても欠かせない仕事ではないかと思うのです。
書かなくて、明日は困らないとしても、必ずいつか困る日が来るはずです。また、今現在、授業に困りを感じている方がいるのでしたら、先ずは日常の授業でもよいので、時々でも、チャレンジしてみることをお勧めします。
読んで頂きありがとうございました。