スタートカリキュラム、アプローチカリキュラムの編成で大切なこと
みなさんの学校はどのような「スタートカリキュラム」を編成しているでしょうか。
また、入学してくる子どもさん達の幼稚園がどのような「アプローチカリキュラム」を編成しているのかご存知でしょうか。
最近ではこの言葉も当たり前のように使われ、実際に行われていますが、私が「精神と時の学校」に赴任したときには、まだその言葉はあまり世に認知されていないかったと思います。
ただ今から考えれば、自然に「スタートカリキュラム」「アプローチカリキュラム」が実働していたなあと思います。
その一例を紹介します。
幼稚園児が入学してくる前、幼稚園児を招待し、「小学校ってこんなところだよ。」と、ペアの園児を連れて学校内を案内していました。
給食も一緒に食べて、給食の配膳の仕方や、片付け方をペアの園児に1年生が教えたりしていました。
ずっと、最下級生として小学校内で「御世話される役」ばかりをしてきた1年生は、御世話することが大好きです。
普段はちゃんと給食の準備も片付けもしない1年生も、御世話するとなると、そのお兄さん、お姉さんっぷりを如何なく発揮しています。
1年間、同じペアで通し、交流の前後には、手紙を通しての交流も行っていました。
園児も、「小学校ってこんなところなんだな。」「給食ってこんななんだな。」「楽しいところだな。」となるし、交流を通して仲良くなったお兄さんやお姉さんが小学校にいることで安心します。
小学校に入学する不安が減り、1年生を担任すると鬼門の「4月の給食の準備」も少しスムーズにスタートすることができます。
これらのことを「スタートカリキュラム」「アプローチカリキュラム」として位置づければ、今でもりっぱなカリキュラムだったと思います。
近くや隣に幼稚園や保育園がなくて、実際に行き来することは難しい学校も多いことと思います。ただ、実際に行き来できなくても、手紙などのやりとりをしたり、映像、写真などのICT機器を使ったりして、子どもが元々もっている「小学校ってどんなところなんだろう。」「園児に小学校の楽しさを伝えたい。」という思いをつなぎふくらませていく。 そんな視点こそがカリキュラム編成上、大切なことではないか。
と、まだ「スタートカリキュラム」「アプローチカリキュラム」という言葉を意識していなかった「精神と時の学校」での出来事を振り返って改めて思うところです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。