子ども喜ぶ朝顔の植え方
1年生で朝顔植えろことは、随分長く続いている、学校における一つの文化のようになっています。
1年生を担任すると、春に必ず、と言っていいほど朝顔を植える作業がありあます。
このときの、「精神と時の学校」で行った朝顔の植え方を紹介します。
(「きっかけ」記事のときに少し紹介しましたが)
きっかけ集会でやる気と見通しを - 「精神と時の学校」で学んだこと
①朝顔の鉢と支柱(朝顔キット)が届いたら、子供達の目につかないところに隠しておきます。
②植えるための学年集会を開きます。
この学年集会は、「植える方法」を教える集会でも、植える集会でもありません。
「朝顔を植えたいな」「育てたいな」という気持ちにさせる集会です。
花や種の写真を見せる。
「花いくつ咲くと思う?」
「種いくつできると思う?」
(これは後の算数の学習につながります。)
「朝顔咲いたらお花で色水つくろう!」
「ツルでリースも作ろうね。」
「種が出来たら、誰にあげたい?」
などのやりとりや話をします。
そして、最後に聞きます。
「朝顔植えて育ててみたい人!」
そりゃもう1年生は、「はーい!!!」ですよ。
で、そこで「じゃあ今から植えようか。」でもいいんですが、そこでもう一立て。
「みんなが植えたいことがわかったから、今度、必ず植えようね。」と言ってそのまま教室で次の授業。
③子供達が帰ったあとに隠しておいた、朝顔キットを一つずつ、子供達の机の上に置いていきます。
一つひとつ、名前を書き、丁寧に机の上に置いて行きます。
大変な作業かもしれませんが、明日の子供達の笑顔を想像すれば、何の苦にもなりません。
次の日の朝。
教室は、ご想像の通りの大盛り上がりです。
④盛り上がる子供たちに言います。「みんな、今から植えるよ!ウッドデッキに集合!」
もちろん、教室に忘れものをする人もいません。
⑤朝顔の種を植える。
以上です。
⑤では、「朝顔を早く植えたい。」という思いで並び方の指示も、植え方の説明もよく聞きます。それでも聞けない子はいますが、いきなり「並びなさい。」「植え方をよく聞きなさい。」よりは、並べたり、説明を聞けたりする子は、はるかに多い。
もう何度も1年生を担任して、朝顔を何度も植えてきて、植える方法は熟知している先生は多いです。
しかし、そんな先生でも、「今年の1年生は話が聞けない。」「並べない。」「朝顔植えが大変だった。」そんなぼやきを耳にすることがあります。
果たして本当にそうでしょうか。
先生にとっては幾度となくやってきた朝顔植えも、1年生にとっては、一生に一回の出来事。
それなのに、「植えたい」という思いを作ることなく、いきなりわけもわからず朝顔のキットが並べられ、体操服に着替えさせられ。
並ぶ必要がないから並べない、植えたいと思ってないから話を聞けない子供が出てくるのは当然なのではないでしょうか。
「1年生に教えるべき大切なことは、『朝顔の植え方』ではない。『朝顔を植えたい、育てたい、頑張ってお世話してよかった。』そんな思いである。
そんなことを学んだ、「精神と時の学校」風、「朝顔の正しい植え方」でした。
読んで頂き、ありがとうございました。