入学式は最初の授業
卒業式が最後の授業とは良く言われます。
それに比べると、私のこれまでの経験では「入学式が最初の授業」という意識は卒業式よりは少し薄いような気がします。
「精神と時の学校」では、入学式、特に入学式後の教室の時間が最初の授業でした。
本時案も書いて配布してのぞんでいました。
その本時案にある到達像、目指す子供の姿は、、、。
「明日も学校にきたい!!」という気持ちをもたせること。
そのために、入学式後に「授業」を行うのです。
私も一年生を担任し、そのときは、その学年の活動を「竹馬」にすることに決まっていたので、入学式前、教卓の下に、児童全員分の竹馬(正確には鉄馬)を隠していました。
そして、簡単に自己紹介を終えると片方の竹馬だけでできるバランスゲームをしました。
その後2本を組み合わせて、竹馬に既に乗れる子供や、チャレンジしたい子供に、前で乗らせたりしました。
明日からもやってみたい!という気持ちを大きくしていきました。
ただ、「乗りたくない」「竹馬をしたくない。」という子供も出てくることが当然考えられます。
ですので、既に決定していた、1年生とペアの6年生の写真を見せ、 「乗れない人、心配な人は、明日から、このお兄ちゃんやお姉さんが支えてくれるから大丈夫だよ。」と話しました。
当然、前もって6年生の担任と6年生に依頼をしていました。 6年生は入学式の翌日から、ペアの1年生をサポートしたり、一緒に遊んだりすることは、すでに伝統となっていたので、6年生にとっても当然のことでした。
翌日朝。1年生の名前が書かれた竹馬をもって、1年生の玄関で待ち構える6年生の姿がありました。 1年生は全員笑顔、とまではさすがにいきませんが、6年生にサポートされながら朝の準備を済ませ、早速6年生に支えられた竹馬で練習する姿が見られました。
翌日から1年生でも自力登校することになっていましたから、電車のホームを間違って反対方向に行ってしまい、駅員さんから電話をかけてもらった一人を除いて、全員が2日目の登校をして、6年生とつながる経験をしました。
ついつい入学式やその次の日は、1年生や親にも規律を教えようと、学校の決まりの伝達に多くの時間を使ってしまいがちだと思います。 しかし、最初の授業で「小学校って楽しいな!」という思いや、6年生とのつながりをしっかりつくっておくことが、後々の1年生の指導にとってもより意味があることのような気が、あの竹馬の最初の授業をふりかえってしています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。